理事長メッセージ


基本方針

・社会問題の解決とリーダーシップの開発
・「ここにしかないもの」の創出と伝播
・青年会議所の活動・意義をステークホルダーに伝える~「達成感」と「成長」の共有~
・周南青年会議所創立 15 周年~徳山 46 年、下松 37 年、周南 15 年の活動を振り返り、次 の 5 年・10 年につなげる

青年会議所の目的 われわれが活動する周南青年会議所の目的とは何でしょうか。

その答えは、定款第 3 条 に示されています。

第 3 条(目的) 本会議所は、青年の英知と勇気と情熱を終結し、明るい豊かな社会の実現に向かって、次 に掲げる事項を目的とする。 (1)学術、科学、文化、芸術に関する諸問題を研究し、もってその改善及び発展のために 寄与すること。 (2)社会開発の積極的推進を図り、もって地域社会に貢献すること。 (3)指導力開発を基調とした青年の自己修練を図ること。 (4)関係諸団体と協力して、地域社会の発展を通じ、日本経済の正しい発展を図ること。
(5)公益社団法人日本青年会議所及び国際青年会議所の機構を通じ、日本及び世界の青年 と提携して国際的な理解並びに親善を助長し、人類の幸福と平和に寄与すること。

この目的は、多少の文言の違いはあれ、他の各地青年会議所も同じ内容です。 この内容を要約すると、地域の社会問題を解決し、指導力(=リーダーシップ)を開発し、関係団体や日本・国際青年会議所を協力することで、地域経済・日本経済の正しい発展を図り、世界平和を実現していく、ことが青年会議所の目的ということになります。さらにそこから読み解くと、われわれ地域の青年会議所がまず行っていくことは、地域の社 会問題の解決とリーダーシップの開発の 2 つであり、それこそが青年会議所の目的であると捉えることができます。 2017 年度、公益社団法人周南青年会議所は、「Solution & Leadership」をスローガンに 掲げ、青年会議所の基本的な目的である地域の社会問題の解決とリーダーシップの開発 2 つに立ち返り事業を展開していきます。

問題解決

われわれが住む周南・下松地域における社会問題とは何でしょうか。どのように解決し ていくべきでしょうか。 この問いに答える前に「問題解決」とは何かを整理しておく必要があります。まず「問
題」ですが、問題とは「あるべき姿と現状のギャップ」を指します。問題とはマイナスの現象だけではなく、高い理想を掲げた場合には、それと現実の差も問題となり得ます。あ るべき姿をどう設定するかによって、問題は変わってきます。 また、問題を解決するためには、その問題に直接対応してはいけません。その問題がなぜ起きているのか、その原因を追究し、なぜを繰り返すことで真の原因(真因)を見つけ出し、その真因を解決することを試みていかなければなりません。表面上の問題に対応していては、例えそれが解決したかに見えたとしても、また違う問題が出てきてしまうからです。そして、真因を解決するために行うのが「事業」です。この地域にもさまざまな問 題が存在しますが、それらを 1 つずつ定義し、その真因を見つけ出し、意義のある事業を 展開していくことで、この地域の社会問題の解決に寄与していきます。

地域の社会問題の解決~ここにしかないもの

 

この周南・下松地域における社会問題を考えてみたいと思います。さまざまな問題がありますが、まず一番大きな問題として人口の減少が挙げられるでしょう。周南市は合併が 行われた 2003 年から 2015 年を比べて、10,000 人以上人口が減っているのに対して、下松 市は全国でも珍しく 2,500 人ほどの人口増となっています。しかしながら、40 歳未満に限 ってみれば、周南・下松両市とも 2003 年は全体に占める割合が 44%であったのに対して、 2015 年はそれぞれ 36%、39%と減少しております。大学進学を機に都市部に移り、そのま ま就職して戻ってこないというケースはわれわれの同年代にも多く見受けられることでは ないか思います。 では、なぜこのような現象が起きているのでしょうか。地元が好きであっても、いった
ん都市部に出ていった若者はなかなか戻ってはきません。地元には仕事がないということも大きな原因かもしれませんが、それだけが原因でしょうか。私はそれ以上に、地方よりも都市部に「可能性」を感じるということが大きな原因ではないかと考えています。日本
の各地域は画一化されつつある一方で、東京などの大都市は独自の発展を続けています。
私自身も感じていましたが、そこには何か経験できるのではないかという可能性が広がっており、それが人々を惹きつける魅力になっています。日本の地方地域は画一化された発展をしてきており、どこも同じような街並みをしています。それであれば都市部のほうが 魅力的ですし、地方であってもより人口の多い都市が人を惹きつけます。 地方は都市部と同じ土俵で戦っていては、当然勝てません。では何で戦うか?地方が都市部に対抗する軸は、「ここにしかないもの」をいかに見出させるか、いかにつくっていけるかがカギになると考えます。もちろんこれだけで都市部の魅力に勝る要因にはなりえないかもしれません。加えて、それを自分たちで成し得ることができる、自分たちでこのまちを変えていくことができる、そういった可能性を感じられることこそが、地方の魅力ではないでしょうか。そういった経験をした人を増やしていくことで、自分にもできる、変えていけるという可能性を感じてもらうことができれば、さらなる地域に対する誇りをもってもらえ、この地域でがんばっていこうとする人たちを増やしていけると考えます。 2017 年度、公益社団法人周南青年会議所は、この地域のここにしかないものをつくりだ し、見出していくと同時に、多くの人にその経験できる場を提供し、自分たちでまちを変えていけるという可能性を提示していきます。そのためにも、周南青年会議所自体が、こ の地域にとって、ここにしかないものになっていきます。

ここにしかないものを見出す~

徳山駅周辺中心市街地の再興 徳山駅周辺の中心市街地は、われわれの世代が子どものころ、人で溢れ、活気で賑わっ ていました。それから 30 年、その間にこの中心市街地に集まっていた人々は、徐々に、ロ ードサイドの郊外店や大手資本の商業施設に移っていきました。それ自体は決して悪いこ
とではありませんが、これらの施設は全国どこにでもあり、他地域・他県に行っても同じような光景を目にします。日本全体が画一化されていくような錯覚に襲われます。また、全国各地が同じ街並みになることで、生まれ育った街に愛着や帰属意識がなくなりやすく なっている可能性もあると感じています。 一般的に中心市街地は、出店や起業がしやすい場所と言われています。出店・起業など、新しいことができる地域であるというイメージを広めていき、中心市街地が大手資本に頼らない独自な街並みになっていくことで、住んでいる市民が愛着をもち、誇りに思えるようなまちづくりができると考えています。実際に徳山駅周辺の中心市街地には個性的な店舗も増えてきており、また徳山駅ビルの建替によりこの地域の魅力も再確認されつつあります。そのような中、この中心市街地が魅力的な場所になるように青年会議所の事業を通 じてサポートしていきたいと考えています。 具体的には、毛利町一帯の桜並木を活用した事業を通じて、中心市街地などの店舗を認知してもらい、この地域にあるここにしかいないものを感じてもらうと同時に、事業自体 がここにしかないものとして認知してもらえることを目指します。

ここにしかない企業を知る

都市部に出ていった人から「地元に戻りたいけど、仕事がないから戻らない」ということをよく聞きますが、本当に仕事はないのでしょうか。また地元の大学を卒業しても、市外・県外へ就職する学生が多いという実態もあります。一方で、経営者の話を聞くと、若 者を採用したいのに、いい人材は来てくれないと嘆いています。 この周南・下松地域は瀬戸内工業地域に属し、大企業の工場が多く立ち並んでいますが、中小の企業も多く存在しています。その中には面白い取り組みをしている企業もあるのですが、地元にいる若者にとっても、いったん都市部に出ていった若者にとっても、それらの企業の存在はほとんどが知られておらず、地元の会社は就職の選択肢に入っていないと いうのが実情ではないでしょうか。 いきなり企業と若者をマッチングさせるというのは難しいですが、まずはそういった面白い企業があるということを、高校生や大学生といった若者に知ってもらい、地元で自分 が活躍するイメージを持ってもらうことが大事であると考えます。 対外事業を通じて、また徳山大学での講義を通じて、ここにしかない企業が周南・下松 地区にあるということを認識してもらう第一歩となるような事業を展開していきます。

子どもたちが「ここにしかないもの」を表現する

前述のとおり、全国の地方都市は画一化されてきており、どこにいっても同じ街並みと言っても過言ではありません。どの地域に行っても、同じような店、同じようなショッピングモールが並んでおり、違いを見出すことが難しくなってきています。地方の人々が都市部と同じような機能をほしいと思うのは自然なことだと思いますが、このようなショッピングモール全盛の中で育った子どもたちは、ショッピングモール自体が地元であるという認識のもとに育っていくことになるかと思います。そのような子どもたちがいったん地元を出てしまうと、他の地域でも同じようなショッピングモールがあり、同じような店があるため、地元に戻ってくる意義を感じなくなってしまうのではないでしょうか。今は「地元に戻りたいけど、仕事がないから戻らない」という人が増えていると聞きますが、今後 は「そもそも地元に戻りたいとも思わない」若者が増えていくことが危惧されます。 子どもたちが大人になっても、この地域に愛着をもってもらえるよう、子どもたち自身にこの地域にあるここにしかないものを見出してもらう経験をもっとしてもらいたいと考えています。それに加えて、何かをつくり出すという経験をしてもらい、なし遂げる力、やり遂げる力を育成し、その過程を通じてリーダーシップを養ってもらう事業を展開して いきたいと考えています。

リーダーシップの開発

リーダーとは、方向性を示し、その示した方向へメンバーを導く人のことを指します。
われわれ青年会議所メンバーは、会社でも、家庭でも、地域でも、そして青年会議所においてもリーダーであることを求められる機会が多いです。そのとき、それぞれの組織やコ ミュニティにおいて、どの方向かに導いていかなければなりません。
進むべき方向を考え・示すことと、そこに導くことは、別のスキルであり、違った能力が求められます。進むべき方向を考え・示すということはその他の可能性を排除するということです。よくリーダーには決断することが求められると言われますが、まさに決めて、(他の可能性を)断つということで、さまざまな情報や考え方を通じて行うことが必要で す。 また、示した方向に導くということに関しては、青年会議所の事業・活動を通じて、身に付けることができる能力でありますが、そのスタイルは多様であるにもかかわらず、ややもすると先輩のスタイルからそのまま見様見真似で行うことも多いかと思います。それ も 1 つの方法ではありますが、自分にあったスタイルを考えて、見つけ出し、実践してい くことも大事であると考えます。 こういったリーダーシップを開発するために、2017 年度は例会を通じて同年代のリーダ ーシップをとってきた方の経験や考え方を学ぶ機会を提供し、また交流を通じて、自らの リーダーシップのスタイルを考えていくきっかけを提供していきます。

リーダーシップとフォロワーシップ

JC とは多くのメンバーにリーダーの機会を提供する団体と言うことができるかと思いま す。周南青年会議所においてもそういった機会は多く恵まれていますし、またブロック協議会、地区協議会、日本青年会議所など、外部にもそのチャンスは多くあります。能力や経験に応じてさまざまな場が提供されていることは、青年会議所の大きな魅力のひとつで しょう。 一方でそれらのリーダーとしての経験をした人が、新たにリーダーとなるメンバーのサポートをしてくれるということも青年会議所の大きな特徴です。リーダーをしていた人が今度はフォロワーに回り、リーダーを支える、その繰り返しが組織を強くしていき、また 個人の成長を促すものと考えています。 とくに、これまで委員長など役員・理事の役職を経験したメンバーは、その経験に応じて今年の委員長を支え、ときに厳しいアドバイスもする、事業を通じてそんなフォロワーシップも発揮してもらいたいと期待しています。

周南青年会議所の活動を伝える

われわれ周南青年会議所を取り巻くステークホルダー(利害関係者)は多く存在します。 OB・OG のみなさん、家族、会社の同僚・社員のみなさん、地域の諸団体、県内・県外の 各地青年会議所、そして市民のみなさん、と多く存在しますが、それらの方々にどれだけわれわれの活動や実態を伝えることができているでしょうか。とくに周南青年会議所と直接のつながりがない市民のみなさんや入会候補者、逆に身近過ぎる家族や会社の同僚や社員のみなさんは、実際に青年会議所での活動を経験していないために、何をしているかわからなかったり、誤解を与えたりしていることも多いかと思います。これらの人々に青年会議所の活動の本質を伝える努力をしていくことが非常に重要であると考えています。では、青年会議所の活動の本質とは何でしょうか。事業を通じた「達成感」とその過程と結果からの得られる「成長」であると私は考えています。このことを、われわれを取り 巻くみなさんそれぞれに、適切な方法で伝えていくことに取り組んでいきます。

市民のみなさんへの広報活動

青年会議所の事業を通じて、市民のみなさんと触れ合う機会はありますが、それはあくまでも結果としての事業であり、表面的に見えているものに過ぎません。当然のことながら、それまでの議論や準備は市民のみなさんには見えません。本来そういったものであると言われればそれまでですが、事業を行う意義やそこに至る過程も理解してもらえることができれば、より多くの参加者を募ることができるかもしれませんし、さらには自分もやってみたい、自分もこの地域に貢献したいという人が増えてくる可能性もあるかと感じて います。 そこで周南青年会議所の活動の意義や裏側も知ってもらう広報活動を積極的に行い、われわれの活動に対するファンをつくって、さらには入会したいと思う人を増やし、拡大活 動にもつなげていきたいと考えています。

家族や社員のみなさんに青年会議所を伝える義務

われわれ青年会議所メンバーが活動をしていく上で、家族や会社の社員のみなさんのサポートは欠かすことができないものです。限りある時間を青年会議所活動に振り向けると いうことは、家族や会社の仕事に振り向ける時間を減らすことを意味するからです。 しかし、それにも関わらず、われわれが活動している意義をうまく伝えることができていないのが実態ではないでしょうか。青年会議所の活動を通じて、達成感を感じ、それを通じて成長しているという姿をどれだけ見せることができているでしょうか。最大のサポ ーターにそのことを伝えられていないのは問題であると私は考えます。 しかしながら、正直なところ、自分でそのことを説明することは難しいですし、自分で話すとその真意が伝わらないということもあります。そこで例会という場に家族や会社の同僚・社員のみなさんに参加してもらい、われわれがやってきている活動の中身とその意 義を伝えるという試みに挑戦したいと思います。

会員拡大と会員育成

組織の維持という意味だけでなく、われわれの活動・運動が地域に対して良い影響を継続的に提供していくためにも、会員拡大は大変重要なことです。しかし、入会の候補者のみなさんにわれわれの活動の意義をきちんと伝えきれているかというと、疑問符がつくのが実情ではないでしょうか。よく、入会候補者のみなさんに「JC は入ってみないとわから ないから、とりあえず入ってみればいい」と言います。これはこれで正しいのですが、一方でもっと伝える努力をしていかなければならないとも思っています。われわれの活動の本質である「達成感」と「成長」を入会候補者のみなさんに感じてもらい、意欲的に入会してもらえるような、継続的に新入会員を確保できるしくみを確立していきます。 また、入会後は、新入会員となったメンバーに対して、実際に「達成感」と「成長」を実感できる場を提供し、今後の青年会議所活動の足掛かりをつくってもらいたいと思っています。

創立 15 周年を迎えて

公益社団法人周南青年会議所は 2003 年に活動をはじめ、2017 年で 15 年目を迎えます。 周南青年会議所は徳山青年会議所 46 年と下松青年会議所 37 年の歴史の上に誕生した、若 い青年会議所です。その周南青年会議所も 15 年目を迎える節目の年にあたり、これまでの 歩みを振り返りと同時に、これからの 5 年、10 年の足掛かりになるような 1 年にしていき たいと思います。 また、ステークホルダーである、OB・OG のみなさん、地域の各種団体、県内・県外の 各地域青年会議所など、日頃われわれの活動を支えていただいているみなさんに、日々の 活動や今後の方向性を伝えることも大変重要なことです。 記念式典では、これまでの歴史の上にわれわれがいることを深く認識し、周南青年会議所メンバーだけでなく、関係各位にわれわれの活動の意義や今後の方向性を伝えていく場 として、準備を進めていきたいと思います。

「ここにしかないもの」としての周南青年会議所

最後になりますが、われわれ周南青年会議所自体がこの地域にとって、「ここにしかないもの」になっていくことが大事であると考えています。この地域を誇りに思える、そのためには自分たちがこの地域を変えていけるということを実感できることが非常に大きな要因になりうると考えます。これはまさに青年会議所の役割であり、われわれがそのお手本となり、そしてそこに参画したいと思われる組織になっていく。われわれ自身が「ここにしかないもの」になることで、この地域を誇りのもてるまちへと変えていく、そのリーダ ーになるという決意を胸に、2017 年度、公益社団法人周南青年会議所は活動を展開してまいります。