理事長挨拶

 

 

■はじめに

我々日本人は、古くから「和」の精神に基づいた教えが脈々と受け継がれてきている。「和」の精神とは、誰とでも仲良くするということではなく、波風を立てなければよいとか、自 分を押し殺し相手に合わせればよいということでもない。個性のぶつかり合いの中に調和 を見出し、それぞれが力を発揮しあたらしいものを生み出す。青年会議所はまさにこの精 神のもとにあるように感じる。青年会議所は常に挑戦する機会が与えられている。その機 会に失敗を恐れずに挑戦していくことで多くの学びを得る事が出来る。挑戦しないことに よるリスクは困難なことに率先して挑むリスクよりも遥かに大きい。だが、このことに気 付いている人は少ない。革新を求めるには調和の中からあたらしいものを生み出しリスク を許容することが必要なのである。

■子どもの可能性を引き出す事の出来る親の育成

誰しもが自己実現、思い通りの人生を手にしたいと思うことだろう。しかし学生であるときにその将来像が見えているだろうか。将来像に向かって、いく通りものシナリオを描 ける若者はどれだけいるだろうか。熾烈な受験競争の中に身を投じるうちに、思い通りの 人生とは何なのか?いつしかいい大学に入る、大企業に就職するということがゴールにな ってしまい、本来の自己実現という目標は見失ってしまう。これまでは学校や社会から与 えられた選択肢の中から選び進んでいってもそれなりに成功や幸せを手にすることが出来 ていた。今となっては大企業であっても大量の人員削減を敢行するなど、将来に亘って安 定した日々が送れるという保証はすでに崩壊している。だからこそ自ら人生を選択し成功 を掴む必要がある。人は色々な可能性にあふれ、たとえ選択した道が間違っていたとして も修正が効くのだが、それまでに学校や社会に与えられた価値観の中だけでは思い切った 決断を下すことは難しい。これらは我々のような親世代が自身の経験を踏まえ、未来に夢 や希望をもたせ、そこに向かうための様々な選択肢をわが子に対して示していく責任があ るのではないだろうか。日々顔をあわせる親だからこそ子どもから絶対の信頼を置かれる 存在となることがまず第一歩であろう。

■次世代の地域経済を支える若者の育成

ワークライフバランスという仕事とプライベートの調和を重視し、仕事に偏ったライフスタイルから脱却し、労働生産性を向上させようといった取り組みを国が推進して行われ ている。しかし、現状に目を向けると、そのワークライフバランスという言葉自体が一人 歩きし、仕事は仕事として割り切り、その他は自分の時間というようにきっちり時間を分けるものといった誤った解釈がなされているように感じる。本来であれば仕事で成果を挙 げるためのスキルを生活の中で身につけるといった目的のはずなのだが、若者にとっては 会社への帰属意識を低下させているだけにすぎない。若い世代の仕事への価値観はこれま でとは違い、仕事は人生において大きなウェートを占めないのである。一方で世界はテク ノロジーの進化の波によって常に大きく変化を続け、既存の枠組みにとらわれない市場・ ビジネスが次々と登場し、時として産業の根本から覆す革新が起こることすらある。その ような時代の中を生きる我々やミレニアル世代、これから飛び込んでいく若者にとって常 識や当たり前を疑い新しいアイディアを創造しようとする考え方や行動が重要となってく る。教育現場ではアントレプレナーシップを掲げて柔軟性やチャレンジ精神を育成する教 育がなされているが、単なる精神論で終わらせず、ビジネスチャンスをものにできるスキ ルを持った起業家、もしくは起業家マインドを持った人材を醸成し、「影響を受ける側から 影響を与える側へ」才能豊かな若き人材をこの周南地域から輩出していこう。

■「地域資源」の創出と真の活用法

地域振興を目的としたまちづくりをするうえで地域資源の活用は最も重要な課題と位置付け、取り組みを行ってきた。これまで地域資源の活用のありかたとしては、旅行会社な どの企業が地域資源を「商品」としたパッケージを顧客へ提供するという形であった。そ の後、地域住民などが主体となって地域資源を発信していき内外から集客するといった形 へと変わってきた。しかしながら、いずれの形にしても「提供する側」と「集客される側」 という二極に分かれた構図であることには変わりがなく、なおかつ地域資源の価値、観光 の中身の部分は提供する側が決定し、集客される側へ向けて一方向に情報発信されるのみ であった。だが近年になりこれらの構図が大きく変ってきている。個人レベルが気軽に情 報発信・収集するツールを得たことにより個人が訪問先の情報を発信、同じ趣向でつなが った個人が情報を得るといった個人の間の相互コミュニティが形成されている。訪問者が 主導となって「地域資源」に価値を見出し情報発信していくことで、新規の訪問者または リピーターが生まれているのである。これらは特に万人受けするものよりもコアな資源に 対してより顕著に表れている。地域資源を活用したまちづくりにおいてこの構図を利用し た地域のブランディングを進めていくべきであろう。

■さらに地域に影響力をもたらす団体へ

周南青年会議所がこの地に発足し 15 年がすぎ、これまでの地道な活動を行ってきた成果により、地域での認知度を着実に上げてきている。さらに幅広く、あらゆる年代へ浸透さ せるためにより一層の広報活動が必要である。とはいえ単にメディア等の媒体を利用した 広報活動だけでは今一つ市民の印象には残らないように思う。普段の生活の中で突然青年 会議所の PR が始まったところでそれは雑音でしかないからだ。青年会議所という存在に意 識が向いている状態でなければ効果のある広報は難しいのではないだろうか。例えば我々が行う事業に参加して頂いた方のうち、どれだけの方が周南青年会議所の主催だというこ とを理解して参加しているのだろうか。非常にもったいなく感じる。素晴らしい事業が行 われ、参加者が興味を持って足を運んできていただいているのであればここぞとばかりに アピールするほかない。広報活動を行うその最終目的は会員拡大のためにある。特に対外 事業は最高の広報ツールと捉え、認知度の向上を狙って参加者に対して積極的に売り込ん でいき、新たな同志を獲得する為の土壌づくりをしよう。本年度は拡大目標に 30 人を掲げ、 取り組んでいきたい。我々が目指す社会の実現に向かって多くの同志を得て強い組織へと 常に成長させていかなければならない。地域に対してさらに大きな影響をもたらす周南青 年会議所へと育てていこう。

■それぞれの個性が活きた魅力ある LOM へ

周南青年会議所は常に 100 名近い会員を維持してきた。これだけ大きな規模の組織ともなれば自分自身にとって関わりの深い人とそうでない人が出てくる。青年会議所には 40 歳 までという限りある時間の中、関わりの深い人とはもっと深く、そうでない人とは積極的 に接していくことで新たな発見や気づきがあり、自身の刺激となるだろう。また、個人を 取り巻く環境は人によって様々で困難に直面している人もいるかもしれない。そのような 時に必ず頼れる仲間が傍にいるのが青年会議所なのである。「人は人によってでしか磨かれ ない」と言われているように、お互いを刺激しあう関係をつくり、自身の成長につなげよ う。様々な研修事業や交流事業を通して個々を強化し組織全体の力強さに、そして会員そ れぞれの強みが調和した、会員の総和以上の力を発揮する我々が得意な形をつくりあげよ う。

■活動を陰で支えてくれている方への感謝

我々が青年会議所活動をしている陰では仕事にしても、家庭にしても必ず誰かが犠牲となっている。だからこそ真剣に活動に取り組み、会社に家庭に学びを持ち帰らなくてはな らない。そして支えてくれる方へ感謝を伝えていこう。

■結びに

青年会議所は 40 歳で卒業を迎える。この青年会議所という学び舎で得たかけがえのない仲間や学びは卒業してからこそ真価を発揮するものだと感じている。10 年以上在籍するこ とになる会員もいるが、それでも長い人生で捉えれば青年会議所活動をしている期間とい うのはほんの一部分にしかすぎない。今は大変な環境にあるかもしれないが、乗り越えた その先には明るい未来が待っている。修練という学びの機会に断固たる決意をもって挑戦 し、失敗や成功を何度も体験しながら自らを高め未来を切り開いていこう。そして 40 歳を 迎え卒業式にてこれまでにない達成感を味わい感動の涙を流す。それが青年会議所の本質 ではないだろうか。このような組織は青年会議所以外には無い唯一無二の団体なのである。

「明るい豊かな社会」は我々ひとりひとりの成長によって実現する。 「和」の精神を以って調和を図り未だ見ぬ力を体験しよう。